青森地方裁判所 昭和63年(わ)31号 判決 1988年6月23日
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1本店の所在地
青森県八戸市城下四丁目二番三号
有限会社大東会館
(右代表者代表取締役 石川和男こと 林圭復)
2国籍
韓国
住居
青森県八戸市城下四丁目二番三号
会社役員
林栄鎬
一九四二年一月二〇日生
被告事件名
法人税法違反(1、2につき)
出席検察官
松浦由記夫
弁護人(私選)
山岡文雄(1、2につき)
主文
被告人有限会社大東会館を罰金三〇〇〇万円に、被告人林栄鎬を懲役一年六月にそれぞれ処する。
被告人林栄鎬に対し、この裁判確定の日から四年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社有限会社大東会館は、青森県八戸市城下四丁目二番三号に本店を置き、遊技場(パチンコ業)等を営むもの、被告人林栄鎬は、被告会社の取締役として実質上その業務全般を統括しているものであるが、被告人林栄鎬は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿し
第一 昭和五九年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億九、九一六万六、二一五円で、これに対する法人税額が八、五二〇万一、七〇〇円であるにもかかわらず、同六〇年二月二八日、青森県八戸市大字番号一〇番四号所在の八戸税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七、九四五万七四八円で、これに対する法人税額が三、三三六万四、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額と右申告額との差額五、一八三万七、〇〇〇円を免れ
第二 同六〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億六、八〇一万八、六八四円で、これに対する法人税額が七、一七六万七、七〇〇円であるにもかかわらず、同六一年二月二〇日、青森県八戸市江陽二丁目九番四五号所在の八戸税務署(昭和六〇年一一月六日所在場所移転)において、同税務署長に対し、その所得金額が一億二二七万九、四九二円で、これに対する法人税額が四、三三〇万二、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額と右申告額との差額二、八四六万四、九〇〇円を免れ
第三 同六一年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億、一、四九七万四、〇七六円で、これに対する法人税額が四、八七八万七、六〇〇円であるにもかかわらず、同六二年二月二五日、前記八戸税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三、四二三万二、四三九円で、これに対する法人税額が一、三八二万六、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額と右申告額との差額三、四九六万一、三〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示全事実につき
一 被告人会社代表取締役林圭復及び被告人林榮鎬の当公判廷における各供述
一 被告人林榮鎬の大蔵事務官及び検察官に対する各供述調書
一 林圭復、工藤日出子、工藤日出子こと林日出子、工藤繁、鈴木啓司、成田善造、蝦名保定、葛西清文の大蔵事務官に対する各供述調書
一 工藤日出子の検察官に対する供述調書
一 金澤則男作成の調査書、脱税額計算書説明資料、簿外預金調査書、有価証券調査書、役員勘定調査書、申告所得税等納付状況調査書、個人預金調査書、報酬給料調査書、配当金調査書、不動産(個人)調査書、借入金(個人)調査書、貸付金調査書、役員借入金調査書、個人分銀行調査書、銀行調査書、証券会社調査書
一 佐藤利克作成の現金調査書、事業税調査書
一 矢部豊作成の領置てん末書
一 佐藤利克作成の告発書
一 田頭正三郎作成の登記簿謄本
一 浦部康、佐々木正祐、熊坂満雄、山下博也作成の各上申書
判示第二、第三の各事実につき
一 長沢壮六、畠山久治作成の各上申書
判示第一の事実につき
一 八戸税務署長作成の法人税等の更正通知謄本
一 林榮鎬作成の59・1・1~59・12・31事業年度分の修正確定申告書謄本
一 押収してある法人税確定申告書(昭和五九年一二月期分)一綴(昭和六三年押第一八号の一)
判示第二の事実につき
一 佐藤利克の金地金調査書
一 山下博也、五十嵐洋二作成の各上申書
一 林榮鎬作成の60・1・1~60・12・31事業年度分の修正確定申告書謄本
一 押収してある法人税確定申告書(昭和六〇年一二月期分)一綴(昭和六三年押第一八号の二)
判示第三の事実につき
一 佐藤利克作成の仮払金調査書
一 桜田繁作成の上申書
一 林榮鎬作成の61・1・1~61・12・31事業年度分の修正確定申告書謄本
一 押収してある法人税確定申告書(昭和六一年一二月期分)一綴(昭和六三年押第一八号の三)
(法令の適用)
罰条
被告人両名につき
判示各所為 各法人税法一五九条一項(被告人会社につき更に同法一六四条一項、一五九条二項を加える)
被告人林につき
刑種の選択 各懲役刑選択
併合罪の処理
被告人会社につき 刑法四五条前段、四八条二項
被告人林につき 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重)
被告人林につき
刑の執行猶予 刑法二五条第一項
(求刑 罰金三五〇〇万円((1につき))、懲役一年六月((2につき))
(裁判官 佐藤敏夫)